ブリュッセルに行ってきました

お盆休みで夫がドイツ入りしたので、少しだけ足を延ばしてベルギーのブリュッセルにドライブしてきた。ブリュッセル自体は個人的には少し立ち寄ったことがあったのだけど、じっくり歩くのは初めて。
王立美術館にしっかりと時間を割いて、15世紀頃からのフランドル絵画、有名なブリューゲルレンブラントの作品群等を堪能し、立ち並ぶショコラティエを一つ一つ冷やかし、ぐるりとゴシックからアールデコまで多様な建築物が立ち並ぶ坂道の多い街を歩く。夜には冷えた白ワインに名物のぷりぷりなムール貝を頂き、締めはアールデコ様式の残るブラッスリーベルギービール。欲張りすぎずにゆったりと過ごす、心地よい旅だった。

特に王立美術館は私好みで、「また、一人でも車飛ばして来ようっと」と思わされた。
個人的にはルーベンスなどの「どーです、すごいでしょ?」的な作品も立派だと思うのだけど、ブリューゲルみたいに、型破りでありながらも親しみやすく、在野の精神を持ちながら、一捻り、二捻りして問題提起する知性に惹かれてしまう。

この美術館で展示されていた15世紀〜16世紀のフランドル絵画には、ブリューゲルの源流が見て取れるような作品が多くて、面白い。一見、普通の正統派な絵に見えても、ちょっと変。正統派の代表格みたいな「天使」さえも蜂蜜欲しさに蜂の巣抱えて、怒った蜂に囲まれて半泣きで登場したりするのだ(笑)そこに人間らしさやクリエイティビティが見て取れて、ぐっと来る。現代に生きる私たちとは違う風景を見ていながらも、なんだか同じ人類としての感情を共有しているような、そんな気持にさせられるのだ。その意味で、ここの美術館の15世紀〜16世紀のコレクションは他の地域のそれとは一味違っている気がした。イタリアの王道ルネッサンスとは一味違う、この独自性はとても興味深い。惜しむらくはマグリット館が工事中か何かで、現代美術コレクションが見れなかったこと。また来よう!

ところで、我が夫の最大の目的は、憧れのベルギービールを心行くまで堪能することだったので、私も当然付き合うことになったのだけど、日本のビールやドイツビールに馴染んだ身としては同じビールと思えない違いを思い知る経験となった。
まずワイン並みに度数が高いので、すぐに酔ってしまう。この大げさな感じに、ビールなのになんだよ!と、ワイン派の私は反発を覚える(笑)また、昔は衛生状態が保障され、栄養価の高いビールは修道院で作って皆に配布されてたそうで、トラピストビール呼ばれる、修道院で歴史的に作られてきたエール・ビールに至っては偏見かもしれないのだけど「なんか説教くさい」(笑)。
やっぱり私は親同伴なら16歳からでも飲めちゃう、気さくで新鮮さが売りのドイツビール派なのだと自覚ちゃいました。

とまれ、仕事もデュッセルドルフも忘れて、旅する一時は、日常生活にエネルギーを与えてくれますね。