I love Italy

Erike2008-12-09

ボローニャ・ショーの準備を始めた夏の頃、サンフランシスコ在住の方から以下の映像を転送して頂いた。
イタリア人とその他の欧州人の差をアニメーションにした面白い映像。
http://www.infonegocio.com/xeron/bruno/italy.html

もちろん、多少の誇張はあると思うのだけれど、実際、日本人一人で、どっぷりイタリア人のメンバーと時間を共有してみると、結構遠からずのところがあり、笑ってしまう。


空港に降り立ち、タクシー乗り場に行けど、ドイツみたいに誰も乗り場のサインの下に順序良く並んでいない。それなのに乗る順番には暗黙の不文律があるようで、よそ者の私がうまく順番を確保しようと思うと真剣勝負なのである。


また、ボローニャショー会場の最寄りの交差点は四車線あり、結構な交通量だ。なのに、毎朝信号が壊れている。しかし、日本の様にお巡りさんは出動しない。「アハハ、また壊れてるよ、エリコ!」と笑いながら、見事にこの交差点を車で渡っていくイタリア人の同僚に感動する。


コーヒーへのこだわりは凄い。カプチーノエスプレッソ、アメリカーノ、ラテマキアート。。。。と、どんな場所でも(自動販売機でも!)、いろんな種類が用意されている。おまけに、同じカプチーノでもガラスの容器であったり、陶器であったり、、、容れ物にもこだわる。曰く、冷める温度にもこだわるんだとさ。やるねーー。


食事もコーヒー同様、妥協はない。ボローニャショー会場にある作業員用の食堂の充実度は世界有数だ。私は中国のショーは経験ないのだが、個人的にはNo.1をあげたい。毎晩9時30分から始まる夕食で供される食事の量は現場で疲れた体には少しヘビーなのだが、負けずに食べていたら、2kgも太ってしまった。ちなみに夕食を7時くらいから食べたいと口走ろうものなら、ダメ人間扱いだ。おかげで私は絶妙のタイミングで、「ご飯につれていけ」という間合いを習得すると共に、それをナポリ、ローマ、イタリア標準語の3つの表現で言い表せるようになった。


食事中も妥協なく楽しんじゃう、この国民との夕食は非常に楽しい。イタリア国内のセールスを担当している、ちょっとワイルドなおじさん達が各地から集まった後は、夕食はハタ迷惑に騒々しくなる。小さい頃に、押すと大声で笑い出す「笑い袋」なるオモチャがあったけれど、まさに笑い袋をたくさんテーブルに置いたみたいになる。毎晩、夕食時になると、そろって皆、シャツの第三ボタンまで開けてリラックスモードに突入するので、「どうして、あなた方は、毎晩、夕食時になると、第三ボタンまで開けて、胸毛をみせるのか」と聞いてみた。すると横に座っていたイタリア人女性のパオラが教えてくれた。「エリコ、さすがにこれはスタンダードじゃない。ボタンをあけて、胸毛をみせて、更に中に太い金のネックレスなんてしているのを見せたりするのは『ニョランテ』と言うのよ」と。『ニョランテ』とはローマ地方の発音で、正式スペルはIGNORANTE。もの知らずで無礼とか洗練されていないという意。意味は別として、音的には可愛いので気に入ってしまった。遠くからやってきた変な日本人の『ニョランテ』発言で、笑い袋達がさらに笑い出す。。。。このノリは、、、すごい。


ショー開催当日は、舞台裏でかわいいパーティも見つけてしまった。プレスデー当日の喧噪、強いライティングや音楽、、少し疲れて潜り込んだ舞台裏では、現場のおじさん達が美味しいものを持ち込んで、密かに宴を開いていた。もちろん、私も仲間に入れていただいた。英語は通じないのだけれど、ドイツやオーストリアに近い所の出身のおじさんのドイツ語を介して、なんとか会話が成立(笑)。短期間で作り上げるショースタンド。華やかな舞台を支えているのは、こうしたおじさん達の確実な仕事だ。時には寒い場所で、長時間の作業をお願いしなくてはならない。スポットライトは当たらないけど、こんな風に、ちゃんと楽しんでいてくれると、私も嬉しくなる!「イタリア人は皆で集まって楽しいのが好き」と、その中の誰かが私に説明してくれた。


こんなに上手に楽しむ、国民はそうそういないだろう。なんだか世の中を覆う不況の暗雲も関係ないような気がしてくる。うーん、日本人でいるのが損しているような気になる。I LOVE ITALY! 今度生まれ変わったらイタリア人に生まれてこようか。