ドイツ最後の節分

今年は日系幼稚園に通っている為、ドイツ最後の節分は去年までとは違い、長女は豆まきや鬼のお面作りをしたそうです。

長女作「赤鬼のお面」。
さっそく家でも被って妹に襲いかかっていました。1歳児大喜び。

幼稚園では、2名の鬼がやって来たので、みんなで豆をぶつけたとのこと。先生から「とてもリアルな鬼が来るんですよ」と聞いていたのですが、どうやらリアルな「人間」だったようで、娘は「角がね、3本ついてたけどね、本当は人だったよー、ふふふふ」と、あまり怖くはなかった様子です。普段の言動を見ていると、まだまだ夢と現を行ったり来たりしている感は否めない娘なので意外でした。それでも年少さんや年中さんの女子には泣き出した子がいたそうです。ちょっとくらい泣いてもらわなくちゃ、鬼も特殊メイクする甲斐がないですもんね。私も小学校6年生の時に全校集会で赤鬼を演じた事があり、それから一週間くらい、校内で遭遇する1年生の子供達にキャーキャー悲鳴とも歓声ともつかない声で、まとわりつかれ、「しめしめ」と思った事を思い出しました(笑)

さて、今回の鬼ですが、娘曰く、散々、豆をぶつけられた挙げ句、山に帰って行ったそうです。「あのね、鬼がねTschüß! Ich gehe wieder nach Hause.(さよなら!もう家に帰るよ。)って言ってね、最後にね Ich esse gerne Broccoli!(ブロッコリーが好きなんだ)って言って帰って行ったの。うふふふふ♪」と話してくれました。なんじゃそりゃ。。。。ちゃんと挨拶をして礼節を重んじる、ブロッコリー好きの鬼だったそうです。ちょっと私も会って見たかったな。

夜は、家で恵方巻きを作って食べました。幼稚園の後、長女は体操教室のある日なのですが、終了後は同じ教室の友人が娘を送り届けてくれるので、お礼に友人一家の分も作って渡しました。今年の具は、マグロ、イカ、サーモン、キュウリ、卵、茹でニンジン、甘辛く煮た椎茸の7種にし、友人の子供には生魚の代わりにハムを使いました。

「今日は日本では伝統的には冬の終わりの日で、特別につくった巻き寿司を幸運を呼ぶ方向に向いて、お願いごとをしながら食べるのよ」と説明すると友人の顔が興味津々な表情になったので、すかさず、「それから、食べている間は一言もしゃべっちゃダメなの。それから、これ、一本丸ごと、切らずに食べるのがルールだから」と告げると、結構驚いてました(笑)こちらでは巻き寿司と言えば、細巻きか、精々、カルフォルニア・ロール的なものだし、冷たく冷えて固くなった酢飯ばかりですから、7種の具の入った作り立ての太巻きを丸かぶりした経験はないはずです。私自身、恵方巻きが浸透するまで太巻きを丸かぶりした経験は無く、初めて食べた時は、なんだかそのワイルドさに妙に心躍ったものでした。ふふふ、追って感想を聞くのが楽しみです。

ちなみに、長女は、今回の節分で、生まれて初めて、一本まるごと、一言も発せず完食しました。しかも、体操教室帰りで空腹だったのか、もの凄いスピードで。お願いごとは「お料理が上手になりますように」だそうです。叶うかな。

私は、家族の無病息災を祈りました。相変わらず、次女の発熱等に悩まされている(今日も幼稚園お休み)ということもありますが、何だか、ここ何年かは願い事と言えば、真っ先に思い浮かぶ様になってしまいました。若い頃、家族の無病息災ばっかり祈っている母に、内心、「なんてつまらなーい!他に願う事は無いんだろうか」なんて失礼な事を思っていた私ですが、結局、同じようになってしまっていることに気が付きます。しかし、家庭を持って思い知ったのは、家族の無病息災ってのは、実は母にとっては結構、切実な願いだったのだということです。