「マーストリヒト」でマリア様に出会った話

Erike2008-07-01

デュッセルドルフはオランダ国境に近いため、ちらっとふらっと車で一時間半の場所にあるオランダ・マーストリヒトへドライブしてきました。


マーストリヒトと言えば、欧州連合の成立の契機となったマーストリヒト条約締結の町。経済の緩やかな連合から政治連合へ大きな流れを作った条約です。
通称EUゼミにいた私としては、妙にテンション高くなりましたが、実際の町は、たいそうな条約とは裏腹に、とても小さくて可愛らしい町でした。
そういえば、マーストリヒトというオランダでも、地味な小さな町が何故、条約締結の地に選ばれたのか、学生時代は考えたことも無かったな。



これまでオランダの大きな町には幾つか訪れたことがありますが、マーストリヒトは、そのどれとも違う、どちらかというとフランスやベルギー的な要素を感じる繊細な町並みや食事です。国境近くの町ならではの、いろんな民族や国の支配の歴史の繰り返しを反映してのことなのでしょうね。

到着早々、こじんまりした町並みの中に可愛い小道を見つけ、闇雲に入り込んだら、すっかり迷子になってしまいました。私が道に迷う原因は大抵これです。分かっちゃいるけどやめられない。。。。
いよいよ現在地が確認できなくなったところに救世主が現れました。
齢70歳は超えているお婆さんです。少し道を尋ねただけなのに、結局、数時間も一緒に町をいろいろ案内して頂くことに。
大変、恐縮しました。。。


家事やお裁縫を少女たちに教えながら、この町で暮らしていたら随分と長い時間が経過してしまったそうです。今は一人で暮らしているとのこと。公園や城壁、お喋りしながら、お勧めの名勝を巡るのはとても楽しく、時間はあっという間に過ぎてゆき、最後に彼女が連れて行ってくれたのは、お気に入りの教会でした。町の中に3つある教会のうち、ガイドブックには詳細が書かれていない教会ですが、聖母マリア主体の教会で、セピア色のライティングがとても穏やかな気持ちにさせてくれる教会でした。


一緒にマリア像に蝋燭を捧げながら、「ここが一番好きな理由が分かるわ」とそっと、声を掛けたら、お婆さん、嬉しそうに女の子みたいに、笑ってたな。

教会入り口の物乞いにも施しをし、追い出そうとする人に、「彼はギターを弾いた対価を得ているだけよ」と憤慨する彼女。
若い私でもくたびれる距離を一緒に歩いてくれたのに、お茶をご馳走させてという申し出も断って、次の用事にスタスタと行ってしまったのだけど、、、、、

もしかしたら、私、マーストリヒトで、マリア様に出会っちゃったのかもしれません。