Kikireki〜!(キッキレキー!)

この頃、娘が時々、「イ〜ッヒッヒッヒ〜」とワザとらしい変な笑い方をするようになりました。理由は分かっていて、ここ半年ばかり通っている音楽学校のせいなのです。

先生のモニカはプロの声楽家。でも、多くの声楽家の場合と違って、比較的華奢な体系。しかも、とっても美人なのです。「グリム童話に出てくるお姫様って、こんな感じかなぁ」と思わせる優しい美貌から発せられる美しい歌声を聞いていると親の私もうっとりさせられます。もちろん、娘もモニカ大好き。学校の無い日でも「モニカしぇんせい(先生)、行く〜」と口走るほどです。

クラスでは、モニカのミュージカル調な進行で、みんなで踊ったり、歌ったり、楽器を鳴らしたりして遊ぶのですが、当初、「冬の精」や「森のクマさん」などを演じていたモニカの芸風(?!)が、最近、少し変わり、このところ、「魔女」になる回が続いているのです。娘の変な笑いは、この魔女が突然始める「イ〜ッヒッヒ笑い」から来ているのです。雰囲気としては、よく日本の子供向け番組などに登場するようなおばあさん魔女の不気味な高音の笑いと同じです。ハッキリ言って、お姫さま系のモニカには全然、似合っていません。いわんや、1歳10ヶ月の娘にも不釣り合いです。

段々、慣れてきて、この一週間位は、娘の「イ〜ッヒッヒ笑い」の頻度も上がって来ました。これは街中でもするな、と心配になり始めていたところ、前回の授業で、更にモニカが新しい境地を開きました。。。。「動物の鳴き真似」です。

ゴム風船を手でポンポンと上に打ちあげながら、風船に自分や子供の手が触れる度に大きな声で、動物の泣き真似をするのです。例えば、鶏の鳴き声。ドイツ語では「Kikireki〜!(キッキレキー!)」。プロですから、声を出すことに関しては一切臆することなく、鶏になりきるモニカ。他にもブタさんや羊、ガチョウなど、鼻濁音まで駆使して、いろんな動物が続々、登場します。。

そして、美しきモニカ嬢の堂々たる動物の鳴き真似を目の前に、親の私は思いました。あぁ、遠からず、娘は街中で「Kikireki〜!」と叫ぶようになるだろう、と。

これまでのレッスンの流れを考えると、今回はお手本の回。来週からは、きっと私達、親も、鳴き声遊びに参加することが求められることでしょう。突然、鳴き真似なんて無理だ。ドイツ語でのブタやガチョウの鳴き声、予習して行かなくちゃ!いや、日本語でエキゾチックに鳴くのも良いかもしれない。。。。などと、思いを巡らせています。