バルテビス?

オムツが取れて、着替えが自分で出来て・・・等の条件が満たせたので、娘は4月から3、4歳児クラス(Kindergarten Gruppe)に進むことになりました。今までのクラスでは2人の担任の先生のうち、日本人の先生が一人いらっしゃったのですが、新しいクラスではドイツ人の先生だけになりました。その上、クラスでは一番の年少になるので、言葉の達者なお兄ちゃん・お姉ちゃん達に混じって刺激を受けて、この所、急にドイツ語の表現が大きく進歩しているようです。

この4月までは家で話すのは基本は日本語で、私に対してだけ、時折、ドイツ語を使うくらいでしたが、この頃は夫に対しても普通の会話の中で結構、ドイツ語が入って来ています。まだまだ簡単なレベルなので、基本は戸惑うこともないのですが、耳で聞いた音をそのまま幼い発音で再生するので、時折、どうしても意味が取れない時があり、連想ゲームの様になっています。

例えば、ご飯を食べている時、「エス ガイスト、エス ガイスト!」と呟きます。聞こえた通りに綴ると「Es Geist(それ、お化け)」という意味も文法も変な言葉になりますが、「ガ」と聞こえる音は「G」ではなく、「R」の時もあるので、「Es reist」の可能性があります。しかし、それでは意味が通じないので、「食事中」というシチュエーションを考えて、更に未熟な舌で「ch」を「ス(シュに近い)」と時々言い間違えているのも考慮し、「Es reicht (エス ガイヒト)」、つまり「もう十分です」と言っているのだという解に辿りつきます。やれやれ・・・。

これ、日本語の赤ちゃん的発音であれば、簡単に推測出来るのですが、私の狭いドイツ語ボキャブラリーでは結構大変な連想ゲームです。

今朝も今朝で、突然、「大きなバルテビスで遊べないからオムツを履いて幼稚園に行くの!」と言いだしました。この頃は夜寝る時以外はオムツは履かず、長距離ドライブの時など、念の為に履かせようとしようものなら、プライドが許さないとばかりに怒って絶対に履かないというのに、今朝に限って断固として言い張ります。

家を出る時間は迫っているし、もうオムツを履かせなくても幼稚園で問題なく生活出来ているし、いっそのこと、無理にでもササッとパンツを履かせてしまおうかとも思ったのですが、娘の様子から「どうも彼女なりにしっかりした理由があって主張しているんじゃないか」と言う直感が働いて、不本意ながらオムツで幼稚園に登園させました。

帰りにお迎えに行った時に気になっていたので、先生に事情を話し、「バルテビスとは何か?」と尋ねたのですが、先生にも心当たりがない様子です。2人で考えているうちに、先生から「もしかしてBauteppich(バウテピッヒ)ですかね!」と言う言葉が返ってきました。

先生によれば、トイレトレーニングの間は新品の大きなBauteppich(床敷の薄手のカーペット)の上では汚してしまう可能性が高いので、オムツを履いていない子は遊ばないようにと指示していたとのことです。娘は律儀に言いつけを守っていたようで、ずっと前にトイレトレーニングは終了したにも関わらず、どうやらオムツを履いていないという理由から、大きなカーペットの上で遊びたくても我慢していたのではないか、そして遂に我慢しきれずに、「(嫌だけど)オムツを履いて幼稚園に行く」という対処方法に出たのではないかという話になりました。

帰り際に先生から、「もうお漏らししないお姉ちゃんだから、パンツでBauteppichの上で遊んでも大丈夫よ。明日はパンツ履いておいでね」と言って貰って、一件落着でした。

いやー娘なりに深い事情がやはりあったようです。無理矢理パンツ履かせて行かせなくて良かった。。。

それにしても、この連想ゲームの日々はしばらく続きそうです。