異文化体験?!


「多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。
 深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。」

現在、私が里帰りしている間の期間限定で日本の仏教系幼稚園に通っている我が娘。
慣らし保育が終了し、お弁当を持って通園するようになってから2週間ほど
経過したころから、家でも、さっと両手を合わせて、この「食事のことば」で
食事を始めるようになりました。また、実家の畳の上に座って遊ぶ際も、さらっと
正座で座る様になるなど、なんだか所作や雰囲気がすっかり「日本の子」!
言葉も、私が誘わない限り、ほとんどドイツ語が出なくなりました。
短期間での変貌振りに、改めて幼児の環境適応能力の高さと言うものに驚かされます。

通園しはじめて間のない頃、偶然、参観日があり、ドイツの幼稚園では行わない
「全員揃って、園庭での朝の会」「整列しての行進や体操」「正座をして本堂での御勤め参加」をしている娘の姿を見た時は、基本が個人主義で自由奔放なドイツの幼稚園に通っていた娘には、この違いがどんな風に感じられるのかしらと思ったものでしたが、本人は「面白い」と感じたようです。初めて習った「前に習え!」や姿勢を正しての「行進」も、家で楽しそうに復習していました。

「自由な服装で、ダンスと言えば、円陣の真ん中で一人で飛び出して行って踊るもの」というドイツでの幼稚園と「みんなで同じ制服を着て、ダンスはみんなで同時に整列して踊るもの」な日本の幼稚園。どちらも娘には知っておいて欲しかったので、今回の里帰りで、短期通園させて貰えたことは、とても有り難い事でした。

私自身も仏教系の幼稚園だったのですが、幼い頃、感じた本堂の中の雰囲気、色彩、匂い、園長先生(住職様)の仏話の世界観等、子供の頃の心象風景の一つとして、しっかり記憶に残っています。子供とは言え、元気に遊びまわるだけではない、「静かな時」を持つ習慣は、娘の心にどんな風に残るのかなぁと考えたりします(もしくは全く残らなかったりして! 笑)

お月見会の準備で秋の七草を集めに野に出たり(おかげで、娘はナデシコがサッカー用語だけではなく、本来は花の名前だと知りました w)、牛舎に見学に行ったり、栗拾いやリンゴ狩りに出掛けたり、一ヶ月の間に、イベント盛り沢山の娘でした。ドイツの秋冬のイベントも楽しくて素敵なので、今年は参加できないのが残念でしたが、この機会にしっかり母国の文化も体験してもらっちゃおうと思っています。