Erike2008-10-21


この頃、毎日午後3時を過ぎると職場のあちこちでシャリ・シャリ・シャリと音がする。

シャリ・シャリ・シャリ・・・と包丁を研いでいるのではない。
シャリ・シャリ・シャリと、ドイツ人の同僚たちがリンゴを齧っているのだ。日本のオフィスにはない光景。
彼らいわく、「スナックを食べるより、ずっと健康的でしょ。」とのこと。

日本のリンゴと違って、こちらの一般的なリンゴは少し小ぶりで、手のひらサイズ。オフィスで齧るにはお手頃な大きさなのだ。スーパーではTafel Apfel(テーブルりんご)と言って、食卓用のリンゴがどっさりお手頃価格で売られている。今は秋。リンゴの収穫シーズンなので、出回る量も増え、職場での消費量も増えているようだ。

隣の席のBrittaが齧ってるリンゴは、実家のお父さんのリンゴの木で取れたものだと言うので、「それって素敵!」と騒いでいたら、翌日、恥ずかしそうに「見た目はあまり良くないけど、これでも送ってきたリンゴの中で一番キレイなやつを選んだのよ」と、一つくれた。Brittaのお父さんのリンゴは、少し酸っぱくて、でも、とてもジューシーで、爽やかなおいしいリンゴだった。

「窓の外から紅葉した木々と、その向こうに見えるライン川を見ながら、リンゴをほうばる」というプチ休憩タイムが、すっかり気に入ってしまった私は、最近、毎日、おやつはリンゴ。

Brittaはその後も、時折、「お父さんのリンゴ」を分けてくれ、先日、貴重な最後の一個を頂いた。
彼女のお父さんも、そのリンゴの木も見たことはないけれど、きっと、毎年娘に送ってやろうと、熱心に手を掛けているんだろうなと思うと何だか楽しい。その今年最後の一個は、予想に反し、遠い異国の地から来て、にわかリンゴMYブームに沸く、変な日本人に食べられちゃったことは知る由もないだろう(笑)