もうひとつのベックマンの話

ベックマンを貰った話を別の友人と食事に出かけたときにしていたら、彼女の子供のころの話をしてくれた。

彼女の故郷はドイツ北部の田舎町にあり、その地域では11月4日の夜に子供達は聖ニコラウスと彼のトナカイの為に、玄関にパンで作ったトナカイの足置きと自分の靴を置いておくのだそうだ。そうすると、夜中に聖ニコラウスがやってきて、お礼に靴の中にベックマンとお菓子を入れてくれるらしい。翌朝、目覚めた子供達は楽しみにしていたベックマンを手に入れられると言う仕組み。

7歳の頃、彼女は、「きっと、大きなトナカイの足置きと大きな靴を置いておけば、たくさんのお菓子とベックマンが貰えるに違いない!」と考えて、一生懸命準備していたそうだ。そこに、父親が通りかかったので、彼女がその計画を話すと、彼は「でも君は毎年十分にお菓子とベックマンを貰ってるだろうに。世の中には貧しくて日々の生活に困る子どもたちもいるんだよ。きっと聖ニコラウスは何でも見ていて分かってるよ」とたしなめたのだけれど、幼い彼女は聞き入れなかったんだと。

そして翌朝、、、、楽しみに家の戸をあけると。。。。。

兄や姉の靴にはちゃんとベックマンやお菓子が入っていたのに、彼女の靴には古いじゃがいもが詰め込んであったそうな。

毎年の一大イベントに何も貰えなかった彼女はショックを受け、すっかり、聖ニコラウスに嫌われてしまったと思いこみ、翌月のクリスマスに何も貰えないかもしれないという恐怖に苛まれながら、それまでの2か月弱を反省しながら過ごしたんだとさ。

お父さん、なかなか、やるな。。。