未来予想

この頃のニュースを見ていると、フランスを代表する知性、ジャック・アタリが2025年の日本の状況を予測して、「日本は必ず軍事的な解決手段に頼るようになる」と少し前の著書に書いていたのを思い出します。最初に読んだ時は「必ず」???という言葉に違和感を感じたのですが、段々、違和感無くなってくるような気がします。

ちなみに、彼の言うところの「二十世紀後半に世界の中心勢力となるチャンスがあったにも関わらず、みすみす、それを逃してしまった」日本の今後の課題は以下の10項目だそうです。これまで国内でも指摘されていた点は多いですが、本気で取り組んだかどうかは疑問なものも多々あります。外国人から指摘されると、なんだか示唆に富んでいる気がします。

1.中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出すこと。

2.日本国内に共同体意識を呼び起こすこと。

3.自由な独創性を育成すること。

4.巨大な港湾や金融市場を整備すること。

5.日本企業の収益性を大幅に改善すること。

6.労働市場の柔軟性をうながすこと。

7.人口の高齢化を補うために移民を受け入れること。

8.市民に対して新しい知識を公平に授けること。

9.未来のテクノロジーを更に習得していくこと。

10.地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること。

あと、2025年予測のところで、彼が「日本がロボットやナノテクノロジーを始めとする将来的なテクノロジーに関して抜きんでているとしても、個人の自由を日本の主要な価値観とすることは出来ないであろう」とも書いているのですが、こちらで、働いたり、生活したりしていると、「この予測、痛いところついてくるな〜」と感じます。
つまるところ、日本の個人主義って、戦後、アメリカから輸入してきた価値観であり、日本人自身が、自らの血と汗で獲得してきたものではない。それ故でしょうか。。。。アジア的な価値観もすごく魅力的な部分がありますが、昨今の状況を見ていると、もし日本が個人の自由を主要な価値観とすることが出来たなら、もう少し個々人の人生全体の幸福度が増すんじゃないかなぁとも感じる今日この頃です。