Die Akademische Freiheit

今回の大学院受験を通して、今まで何となく聞きかじっていただけのドイツの大学事情について少し知る機会を得ました。やはり一番、興味深かったのは「学問の自由(Die Akademische Freiheit)」を常に意識しているところでしょうか。

個々の独立した州の集合体である、連邦制を採っているドイツは中央集権国家の日本と違い、中央政府の役割は緩やかなものです。こと、文化・教育に関しては日本の文科省の様な官庁は無く、各州が国よりも力を持ち、その責任を負っているそうです。従って、いわゆる国立大学というものは存在せず、基本が州立で、教育政策も教育法も州毎に違っているとのこと。

日本で中央集権の下、産官学が一丸となって原発を推進してきたことの不気味さが露呈している今、この様なドイツでの国家権力から学問が距離を置きやすく、そして多様な考え方を受け入れやすい教育の仕組みは、アカデミズムとはどうあるべきなのか示唆に富んでいると思いました。

また、「万人に学問の機会を平等に与える」という観点から、授業料は無料、もしくは徴収したとしても微々たるもので、通学の為の公共交通機関も無料になるところが多数です。「万人」の定義には私の様な外国人も含まれる、太っ腹な制度です。(お陰で収入のない駐妻の身としては大助かりです。)

Die Akademische Freiheit。学問や国の将来を背負う人材についての崇高な理念に基づく教育制度、なんとも魅力的です。