10年ぶり

今日は学籍登録にケルンまで行ったので、手続き終了後、10年ぶりにケルンの大聖堂の中まで入って見ました。

個人的にはケルンの大聖堂はやたら大きいだけで、今一つ面白みに欠ける(あんな無茶な大きさはそれはそれで面白いのですけど 笑)ように思えて、一度行ったきりになっていましたが、ケルン在住の友人がステンドグラスが最近、新しくなったから行ってみると良いと教えてくれたので、足を運んでみました。

中はこんな感じになってました。

既に10年前の記憶があやふやなので比較できませんが、ステンドグラスは確かに鮮やかになっていて、前回の「退屈で、大きくて、煤けて黒い」という印象の悪さが大分、払しょくされました。これがなかなか良い感じ。

お見逸れしました、ケルン大聖堂様。悪口言ってごめんなさい。(しかし、私としてはゴシック建築と言えば、やはり、イギリスのカンタベリーやフランスのシャルトル等の大聖堂がグッときます。。。ケルンの大聖堂は外観がちょっと難ありのような。。。。。。)

ちなみに酒井健著「ゴシックとは何か」という、とても面白い本があるのですが、それによるとゴシック建築の教会とは、そもそも森を模したものだったそうです。
かつて、少しずつ産業化が進み始めた昔、森で暮らしていた人達の中で、先祖の土地を継ぐことのできない次男や三男達は、こぞって森を去り、町に働きに出ていたのだそうです。そうした森を去らざるを得なかった人達の為に、キリスト教教会は森を模した建物を町の中に建て、人々を集めたとのことです。森の中で暮らす人達の自然信仰とキリスト教が絶妙に合わさった形です。それがゴシック建築の始まり。外壁にくっ付いたガーゴイルは森のお化け。不自然にうるさいほどくっ付いた突起達は木の枝や葉でしょうか。何年か前にこの本を読んでから、今まで何気なく旅先で見ていたゴシック建築が、随分面白く思えてきました。

今日のケルン大聖堂の中も、巨大なだけあって、入り組んでいて、深い森の中に入ったような気持ちになりました。ステンドグラスから差し込む光は、まるで森の中で微かに得られる木漏れ日です。