はじめてのむち打ち

学生生活が始まってデュッセルドルフとケルンを列車で行き来する日々が始まりましたが、やはり夕方家路に向かう際は気が急いてしまいます。特に夫と娘が先に家についている状況の時は、彼らは、そんなに気にかけていない様子ですが、ついつい早足になってしまいます。

そんな雨の夕方、ようやくデュッセルドルフのメイン駅について、構内をブーツで急いで歩いていたところ、あと数mで出口という場所で、濡れた床にブーツが滑って、すってんころりん!久々の転倒で一瞬何が起きたのか分からずキョトンとしていましたが、座り込んだ私に近くにいたジェントルマン(?!)と何故か目の前にいたPolizei(警察官)が2人掛かりで助け起こして下さいました。まるで犯罪者確保の瞬間の様。。。あー恥ずかしい。。。。

単につるっと尻もちをついただけで、その際、少しだけ左側に重心が傾き、手を突いたくらいで、何も感じなかったのですが、翌日の午後、学校でミーティングをしている位から、妙に肩のコリを感じ、帰りの列車の中で、肩と首がカチンコチンに固まっている不自然な状況に気付き、家に着くころには呼吸するのにも圧迫感を感じるほどになっていました。そう、いわゆる「むち打ち症」の症状です。初めての経験です。

Googleで調べると、この手の症状は、一日も早く病院でレントゲン確認をし初期の処置をしてもらうことが肝要だと書いてありましたので、先日良い整形外科と整体に出会ったと話していた友人に連絡を取り連絡先を聞いて、翌朝、訪ねる準備を整えました。

結局、友人お勧めの病院はお休みでしたが、その予約の為の電話でも一刻も早く別の病院で診てもらうようにとアドバイスを受け、近所の整形外科を訪ねました。カイロプラクティックや鍼を売りとする病院ですので、勝手に「レントゲンを撮ったら、鍼かマッサージで今のカチコチになった首をほぐしてもらえるはず」と勝手に東洋医学の手法での治療を予想して向ったのですが、颯爽と現れた腰痛についてはドイツで十指に数えられると言う名医であるその先生は、二コリと笑って「注射と点滴で治しましょう」とおっしゃいました。

注射嫌いです。本当に大嫌いです。バリバリ西洋医学的手法の治療方法を聞き、首だけじゃなく、体もカチコチになる気がしましたが、先生は容赦なく、背後から首にブスリと一本打ち、そして何の前触れもなく、続けて2本、神経ブロック注射を注射したのでした。そして、もう殆ど半泣き状態の私に「明日9時30分にまたおいで〜。じゃあねー」と笑顔で別れを告げ、私は看護婦さんに間髪いれずに点滴ルームに連行されたのでした。

予想外の展開に動揺した三十路の日本人に看護婦さんは優しくあやすように「Kein Problem(no problem), kein Problem...」と声を掛け、ドイツらしい乱雑な手つきでてきぱきと点滴の針を私の腕にブスリと指し、去っていったのでした。

もう朝から4本もブスリと指されてショックでしたが、お陰でかなり改善されました。朝一番の時点では、もしかしたら無理かもしれないと思っていた、その後の駐妻友達とのランチの約束も、無事、楽しく果たせて、昨日の夜の悲惨な状況が嘘の様です。

皆様、雨や雪の日のドイツでの転倒にはくれぐれもお気を付け下さい。
また、「これ、むち打ち?」と思ったら一刻も早く病院へ。。。。。
今、我が家では転倒の原因となったブーツを夫が捨ててしまえと言いだして、悩んでいます。災難でした。