Got back on the right track

5月前半まで、時にはダウンコートが必要になる程、気温・お天気共に、さっぱり駄目なドイツでしたが、ようやく本格的に初夏らしくなってきました。
寒くて曇天な状況から一転して、毎日がお出かけ日和。沢山の人が、オープン・カフェでのんびり夏を楽しむ季節がやってきたのです。

しかし、そんな中、私の方はと言えば、5月末日までに大学院の授業での課題提出やら自分の研究の途中経過発表が続き、泣く泣く家の中でPCに向かう日々でした。特に自分の誕生日である5月31日は、あろうことか、前回、教授陣にメタメタに批判されたコロキウムでの自分のプロジェクト進捗報告の日と重なり、誕生日どころじゃありません。今回こそはと悶々と過ごす5月でした。そういう時に窓から見える夏空の恨めしいこと〜!
ピカピカの空を見ながら、「終わったら、家族でXXXXするんだ」「○○して遊ぼう」と、それをモチベーションに頑張りました。そんなことなら、通常から、しっかりコツコツやっておけばいいんでしょうけどね(涙)

そして、ようやく、この夏学期の真ん中にある山も越えることが出来ました。一番心配していた個人プロジェクトの方向性に対しても指導教官達から「面白いと思うよ。その調子」と支持してもらうことが出来て、一安心。
前回、酷評を受けたコロキウムから、もう何ヶ月も経過しており、途中、病気で長期間寝込んだりもして、軌道に乗せるまでに恥ずかしいほど時間が掛かってしまいました。10年以上もビジネスの世界にいた私には、もう自分ではそれと気付かぬほどのビジネスマインドがこびり付いていたようです。そこからアカデミックな世界の自由を享受できるところまで、自分のマインドセットを変えたり、基本的な知識のベースを築くには、予想以上に時間が掛かってしまいました。デザイン・スクールに入学したのに、それこそ、フーコーやらバタイユなどを紐解くことから始めたくらいです(なんだか変ですが、バウハウスの流れを組む教授陣なので、この辺りからベースが無いとついていけないという。。。)教官の一人に「自由って、案外、謳歌するのは難しいわよね?」と笑って言われました。その通り。

とまれ、軌道から外れ掛けていたところから、無事、帰って来れました。これからは欧州の夏を謳歌しつつも、より真面目に研究に勤しまなくちゃなりません。方向性が決まっただけで、ちっとも「安泰」になった訳ではないですから。
基本、今の学校の先生は、最後のアウトプットが確実に見えているような提案を良しとはせず、常にリスクを取ることを好む人達なので、私の研究も蓋を開けたら、大した結果の出ないゴミ屑みたいになる可能性も大ありなのです。綱渡りは続きます。

そうそう、「綱渡り」と言えば、安定期に入ったのでご報告させて頂きますと、実は現在、第二子を妊娠中です。6ヶ月目に入りました。3月、4月と体調を崩してしまったのは、そもそも、ひどい悪阻で食事が取れず、栄養失調状態だったところに、娘のインフルエンザに感染してしまい、妊娠で薬が飲めない故に、悪化させてしまったことが原因でした。あれは、地獄でした・・・・。
そんなこともあり、夫のドイツでの任期以内で、大学院をちゃんと卒業できるかは「綱渡り」な状態です。しかし、以前、日本にいた時は子供が出来ず悩んでおり、また、年齢的にも妊娠・出産が可能なタイムリミットが近づいてきていることもあって、比較的に精神的にゆったりしていられるドイツ在住中に妊婦・母・学生の三足のわらじを履く決心をした次第です。なんだか、ここ数年、いつも綱渡りな感覚が抜けませんが、これもまた人生でしょう。

幸い、ドイツの大学は大学内に学生・教員用の託児所があったり、学内で「母親が大学で勉強するには」とか「母親だって、留学して研究できます」等のキャッチフレーズで、母親を支援する仕組みについての説明会が開かれたりしているので、日本よりは比較的、サポート体制は整っているようです。指導教官二人も、「困難な時はPCを使ってスカイプでミーティングしましょう」と言って下さり、心強く感じました。

綱渡りだからって、最初からチャレンジしなければ、全ての可能性は、それで終わってしまいますし、とりあえず、踏み出してみれば、何とかなる可能性はゼロではないですもんね。今はそんな心境です。