ケルンな週末

Erike2009-01-11


今週末はケルンのボーイフレンド宅にお泊りした。彼の名は「クラース」。北欧っぽさを意識した名前だけれど、生粋のドイツ人。サラサラのブロンドヘアで、透きとおるようなブルーの瞳を持つ年下の彼。私の住む町からケルンまではアウトバーンに乗っても40分は掛かるのだけれど、あの甘ったるい喋り方で「来てほしい・・」と言われると、うーん、もう抗えない。。。


よく、外国語の上達には、その言語を話す恋人を作ると良いと言うが、まさしくその通りだ。本当に通じ合いたいと思うと、普段ヘラヘラと聞き流している音の塊も、聞き漏らさないように耳が傍立つ。そう、彼はいつも気まぐれ。次に何を言い出すか、読めないので、特に努力が必要だ。しかし、こんな私の健気な想いとは裏腹に、クラースは年下のくせに、容赦ない。間違った活用・語順には厳しいダメ出しが入る。自分は英語も話せないくせに。。。。


そんなクラース優位の関係でも、私が優位に立てることがある。

・・・クラースは字が読めない。


だって、まだ4歳だから!彼は職場の同僚の愛息子。そう。絵本の読み聞かせになると、関係は一変するのだ。ふっふっふ。まぁ、しかし、そんな優位も時間の問題だろう。そして、いくら一緒に楽しく絵本を読んでいようとも、お隣のレーラ嬢(3歳)が現れた途端、膝の上から消えてしまう。やはり、若い方が良いのねっ、お姉ーさんは悲しいっ。



土曜日はクラースを訪ねて、同僚宅に一泊し、翌日は、更にその他のケルン在住の同僚たちも加わって、ブランチ&ミュージアム見学をした。久々にゆったりした週末。日本人でない同僚の殆どはケルン在住なので、彼らと日曜の昼下がりを共に過ごしたのは初めてだったけど、独・伊・日の混成チームでのおしゃべりは、なかなか楽しかった。


今日は、ずっと行きたかったミュージアムに、同僚達に付き合って貰った形になったのだけれど、期待通りの素敵なミュージアムで、大満足。


一昨年オープンしたばかりの「コロンバ・ケルン大司教区美術館」。第二次世界大戦で破壊されたチャペル&その下に眠っているローマ時代の遺跡を絶妙な形で残しながら、美術館にしている。Peter Zumthorという建築家の手によるものなのだけれど、遺跡の上に積み上げられた美しい白いレンガが、きちんと遺跡を尊重しながら、元チャペルだった場所にふさわしく、とても高貴で厳粛な世界観を醸し出している。外側から見えるレンガ無しの空洞は、採光の役割を担っており、内側から見ると、キラキラ光って美しい。遺跡部分をじっくり見せるスペースには、音によるインスタレーションもある。世界大戦後、破壊されて長い間放置されていた際に、たくさん住みついていた鳩達の鳴き声と当時の車や人の喧噪を録音して流しているそうだ。大司教の所蔵品も多種多様で面白かった。


何を大事にするかをはっきり決めて、それに向けて徹底した作りこみをしている、秀逸なミュージアム。新しい構造物には下品な自己主張はなく、長い間、人々の祈りの場所だった地を大切に思って作ったことがよく分かる。お勧めです。ケルン訪問の機会があれば、是非どうぞ。